http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010040801000216.html続きを読む
2008年09月27日
すべてが「コンタクトポイント」である。
最近、カラスのゴミあさりには目に余るモノがあります。
いよいよ、我が町内会でも「カラス防御ネット」を導入しました。
きっとこのメーカーはお金がないでしょうけど、でも、こういう工夫が一番「効く」広告になっています。
応用が利く業種はたくさんありますが、「建設(住宅)」、「家事サービス」、あと「B to Bにおける商業用車」など、使えるはずです。
ちなみに、これからのユニフォームは工場よりも「営業現場」で使うべきだと思います。
私のクライアントはご存じでしょうが、私の着ている服のほとんどには「会社ロゴ」が入っています。
2008年09月23日
ブログ感覚、書店感覚、夏休み感覚
すっかり、更新の間が開いてしまいました。
今のウチに予告しますが、今月は弊社の年度末であるため、来月の初めまで更新が滞ります。
よろしくお願いします。
さて、本題。
私、先日ようやく話題の「旭山動物園」に行って参りました。
平日の金曜日だったにもかかわらず、あちこちに行列が出来るところは、さすが!という感じ。
入場料は「800円」。
安いなあ、というのが最初の感想でしたが、上野動物園や多摩動物公園は「600円」。それに対して江ノ島水族館は「2000円」、しながわ水族館が「1300円」。
水族館は装置にコストがかかるため、高くなるのは仕方がない・・・訳ではなく、むしろ「大して芸もない」魚が主力では、苦戦は必至。
しかし、だからこそ、「お金を取ることをシッカリ考えている」のではないか・・・。
動物園の不振は「安いから」では・・、と思いながら入場しました。
これだけでなく、建物など非常に古くさくなっており、水族館の華々しさと対極にあります。
しかし、これを救っているのがタイトルにも関係ある手書きの看板類。
とりあえず、その手書き感覚を堪能してください。(クリックすると拡大します。)
実は、「オオカミの森」というのが、一番新らしく出来たのですが、これが手作り感覚満載です。
さて、これが何の「学び」になるのか?
地方のシャッター商店街の学びになるんですね。
私の地元、長岡でもそうですが、シャッター商店街の店舗は「昭和(しかもバブル前)の遺物」です。つまり恐ろしく古びている。
だからこそ、鮮度が必要です。そういう意味で手書き感覚(ブログ感覚、書店感覚)は鮮度を保つために大変重要なのです。
そして、この方法は「商品知識を見せる(夏休み感覚)」にもつながります。
地域の方々には、ぜひ、これを参考にしていただければ幸いです。
(ただし、「安っぽい、高くは売れない」という弱みがありますけど)
2008年08月27日
ネーミングの妙「健康家族」
会社名(ネーミング)って「自分は誰だ」ということを示すためにある!
・・・・って思いこんでしまいますね。
「当たり前だ!それ以外に何のためにあるのだ」と思われると思います。
かくいう私の会社も[Brand]+[Logistics」、つまりブランドの後方支援を行う会社、という意味です。
実は、いま「健康家族」という通販会社(「健康にんにく卵黄」などの商品でお馴染み)の通販番組を見ていたら、同社の社長が登場して、こう発言。
社名の意味は、「家族全員が健康になって欲しい。その気持ちをストレートにつけました」とのこと。
もちろん、これは健康家族のPR番組での発言です。
しかし、「お客様の成長」を名前に出来るって、ブランド2.0的で実に素晴らしい。
「ウチの会社はこうだ」
「ウチの会社の得意はこれだ」
「ウチの会社の事業はこれだ」
こういう名前はありますが、「お客様にこうなって欲しい」という表現というのは難しい。
そういう意味で「健康家族」というのは、なかなかに良いネーミングではないかと思います。
Yahoo!, Googleなんかは、コレに近い名前かも知れません。
続きを読む2008年07月31日
ナイキと搾取工場
ちなみに、安愚楽牧場への抗議メールは見事に無視されました。
今回は、その話の続きで、ブランドと「リスク管理」の話を。
ナイキといえば、もはや知らない者はないブランド。
のマークは、もはや(文字通り)言葉のいらない世界の共通語です。
しかし、そのナイキも何度か深刻なブランドの危機を迎えています。
一つは「プロスポーツのイメージ低下」。ナイキがブランドイメージの核としていたプロスポーツが「お金に汚く、セルフィッシュ」と評価され始めたとき。一時、ナイキの広告が級にプロ選手を辞めて、「部活」シリーズなどに変わったのは、そういう理由です。
そして、それよりも深刻だったのが1997年にNGOから指摘された(俗に言う)「搾取工場」事件。
ナイキが東南アジアにある委託工場(ナイキは自社で工場を持たないファブレスメーカーである)で、児童労働、低賃金労働、長時間労働、性的行為の強要、強制労働、などの問題点の存在が明らかになった事件です。
ただ、このような搾取工場は、他のメーカーでもあること(良いことではないが)。
では、なぜナイキが大きな問題になったのでしょうか?
もちろん、ナイキは世間の注目を集める大ブランドであり、そういう広報戦略がNGO側にあったとおもいます。
しかし、本質は「ナイキユーザーが自分の問題」と考えたからではないでしょうか?
ナイキユーザーにとって、ナイキを買うということは「ナイキのメンバーになる」ということ。ナイキの考え方を支持している、ということを表しています。
ということは、「ナイキが搾取している」のではなく「自分が搾取している」と、どこかで感じているのではないでしょうか。
そう考えると、ナイキの迅速な対応も分かるはずです。
社会の問題ではなく、「ナイキ・コミュニティの問題」なのです。
そういうお客さんをどう思います?
日本で言えば「Jリーグの大分サポーター」がそのタイプですね。(ペットボトルを投げ合う埼玉と大阪のサポーターは全然違う)
鬱陶しい?
ナイキのブランド力は、こういった「ナイキに参加する消費者」で出来ているのです。
そういう鬱陶しいお客さんを、あなたの会社は持っていますか?
ちなみに、不易流行通信の過去の号をごらんの方は、コイデが結構なクレーマーだと言うことはご存じでしょうが、そのコイデにして全く返信してこなかったのは安愚楽牧場だけですよ。
2008年07月27日
「自粛」や「規制」は好きではないのですが・・・
私は結構、ソーシャルマーケティングに関わってきました。
そうすると、日本の広告のメッセージって「社会問題をふわっと」提示することが多いと思っています。
もちろん、AC(公共広告機構)はメッセージ性の高い広告をつくっているのですが、「知的」すぎるというか、「痛み」が少ない広告になっています。
公共広告というのは、頭で分かるのではなく、「心が痛む」広告でなくては社会を動かせないと思っています。人々が目を背けるところものに、(CMという)注目を獲得するためのツールを使うところに面白さがあります。
そうですね、「良心に訴える」のではなく、「痛み(自己認識)に訴える」という方法論です。
課題を社会に共有すると言うことは、「理解ではなく、参加」なのです。社会的な関心ではなく「コミュニティーとしての関与」に変えることなのです。
そうすると、例えば「井原が出てくる"脊椎バンク"のCM」(「メンバーが足りません」編」などは「認知の獲得」と、「巧く言い換えてみました」(サッカーのメンバーと、ドナーのメンバー)というところで止まっているように思えます。
はっきり言えば、「内閣府の政府公報」(よく新聞の1面にでていますね)と変わらない。「メッセージを発信しました」というアリバイ感たっぷりで、そういうアリバイ感が、こういう欺瞞を生んでしまう元になっているように思います。
ACは民間なんだから、政府になっていいのか(自己規制がメッセージに勝ってしまう)と思うのです。
例えば、世界の公共広告ではこういうCMも出ています。
(掲載自粛中:YouTubeで探してください。http://jp.youtube.com/watch?v=71uoDpxb2Uw&feature=related)
さて社会的なメッセージに弱いということでは新聞社のCMもそうです。
まず、日本の朝日新聞のCM(かなり力が入っています)がコレ。
(掲載自粛中:YouTubeで探してください。http://jp.youtube.com/watch?v=S-RQHM91vFc)
それに対してイギリスのインデペンデントのCMがコレ。
(掲載自粛中:YouTubeで探してください。http://jp.youtube.com/watch?v=0a5Rxg-rWXY&feature=related)
一応フォローいたしますが、朝日新聞のCMだって完成度が低いわけではないのです。ではその差は何かというと、朝日新聞は問題の「オブザーバー」に過ぎず、一方ではインデペンデントは問題に対する「当事者」意識がはっきりしていることです。
社会的な問題は「自分の問題」であり、それを感じられるアンガージュマンの思想が必要だと思うんです。
そういう感覚というか、責任感に欠けているのかな?と思うのです。
私達、コミュニケーションに携わる者は「表現の自由」は尊重しなくてはなりません。しかし、同時に自分の行為が社会的にどういう意味を持つか、を考えるべきです。
「誰かに文句を言われたから辞める」のではなく、また自主規制(触らぬ神にたたりなし)ではなく、社会的な責任として考えて発信すべきなのです。
そして、ようやく今日のテーマ。
今朝、安愚楽牧場のコマーシャルを見ました。
(掲載自粛中:YouTubeで探してください。http://jp.youtube.com/watch?v=_bjJqPKQTTA)
上記のフィルムをクリックして、一番最後のシーンに注目してください。そして、それが持つ社会的な意味合いについて、しばらく考えてみてください。 もしかして、このCMの作り手(安愚楽牧場と広告会社)は、「狂牛病(BSE:狂牛病は使うべきではないという意見もあるが、ここではあえて使っておきたい)」という言葉を知らないのではないでしょうか?
いずれにしろ、こういう社会への責任の意識が作り手が、「自主規制」の悪癖を結果として呼び込んでいると思います。(とりあえず、安愚楽牧場に抗議のメールを打ちました)
社会への責任は「お騒がせしてすみません」ではない。自分のパーソナルな行為もすべて社会とともにあるというアンガージュマンの思想です。もし、安愚楽牧場が広告を自粛することがあったら、ぜひ「"社会"をお騒がせしてすみません」と考えず、この行為が「顧客と、日本で頑張る生産者というコミュニティーへの裏切り」であることを自覚すべきだと思います。
今日は朝から重たい話題になりましたが、もし私達コミュニケーションに関わる人間こそ社会への意識を忘れてはいけないという(自分も含めた)警告をこめて書かせていただきました。
ご理解ください。
2008年07月25日
調査数字を使って相手をだますには・・・
ロゴの話の続きの前に、本日朝、気になるニュースが入ったので、その話を。
今朝のニュースで
<世論調査>ワーク・ライフ・バランス「知らない」が8割強
(以下、毎日新聞の報道より引用)
内閣府は24日、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス、WLB)に関する特別世論調査」の結果を発表した。WLBについて「名前も内容も知らない」との回答が60.1%で最も多く、「名前は聞いたことがあるが、内容までは知らない」も26.6%に上った。「名前も内容も知っている」は9.8%にとどまった。政府は08年を「仕事と生活の調和元年」としてPRに努めているが、8割強の人に十分認知されていない実態が浮かび上がった。 調査は今年6月、全国で20歳以上の3000人を対象に個別面接方式で実施し、1839人から回答を得た。
いったい、この調査は何を「知らない」のだろうか?
もし調査票が
「"ワーク・ライフ・バランス"って知っていますか。」
1)名前も内容も知っている
2)名前を聞いたことはあるが、内容までは知らない
3)名前も、内容も知らない
という調査だったらどうでしょうか?
("ワーク・ライフ・バランス"と聞かずに「"仕事と生活の調和"という言葉を・・・」と聞いても同じ)
「個別面接方式」といっても、インタビュー調査(定性的)なものか、単にアンケート用紙を面接担当者が読むだけか(調査人数をみると、こちらの方があり得る)、わかりません。
実は、この調査についての報道には続きがあって・・・。
「仕事」「家庭生活」「地域・個人の生活」のうち何を優先したいかを尋ねたところ、「家庭」が29.9%で、07年8月の前回調査から2.2ポイント増えた。反対に「仕事」は5.3%で同5.9ポイント減少した。「地域・個人」は3.9%でほぼ横ばいだった。 実際に何を優先しているのかを聞いたところ、「家庭」がトップで33.7%を占めたものの、「仕事」との回答も22.2%あり、希望に反して仕事を取らざるを得ない人が多いことをうかがわせている。 一方、家庭生活のための時間が「十分取れている」は38.3%、「まあ取れている」は42.2%で、8割の人が家庭生活のための時間を確保していると答えた。休養のための時間については、「十分取れている」が31.8%、「まあ取れている」が40.5%だった。【坂口裕彦】
そう、「実際の行動や、実際の行動に際する意識」を見れば、最初の質問と完全に矛盾していることがわかります。
つまり、この調査は「広報予算を確保することを意図してつくられた調査」である可能性が極めて高いのです。
この調査を普通に読めば「"ワーク・ライフ・バランス"などいういう訳のわからない言語感覚の広報は失敗した」ということであるのに、「知らないから失敗。だから予算を・・・」という方向に持って行こうとしているのは見え見えです。(なぜ、ここまで言うかというと、私は昔、警察庁の某委員会の委員だったので)
それを、毎日新聞も、NHKも(最初に朝のNHKニュースで知りました)、内閣府の発表をそのまま(つまり、まともな批判精神も持たずに)報道しています。特に毎日新聞は深刻で【坂口裕彦】という署名記事で書いている恥ずかしい状態。いったいこの坂口某は本当に新聞記者なのか?内閣府の役人ではないかと疑ってしまいます。
タイトルですが、少なくとも国民がだまされているかは別として、こういう報道を行った人間がいる(どう考えも、内閣府のニュースレターをそのまま記事にした)ということを、「これらの報道人達(記事やタイトルにOKを出したデスクの人間を含む)は内閣府に媚びたのではなく、ただ内閣府にだまされたのだ」と考えたので、このようなものにしました。
2008年07月24日
ロゴアイデンティティの不易流行
2008年07月07日
「マス」メディアの終わり?!
長期的なテレビの視聴率下落がとまらないようです。
日本で唯一、継続的な視聴率調査を行っているビデオリサーチが毎週の部門別視聴率Top10を発表しています。私が広告会社に入った頃は20%越えの番組はもっと多かった気がします。
もちろん、この視聴率は「世帯視聴率」であって、現実のクライアントは「個人視聴率」を考えて行動しています。だから、深夜の視聴率10%程度の番組が、F1・M1層では30%の個人視聴率に達することもあるわけですし、世帯視聴率だけでは問題を見誤る可能性もあります。
しかし、それでもテレビの視聴率低下は確実に進んでいると思えます。
テレビ局は実質、視聴率で収入が決まるので(多くのクライアントがテレビCMを買う場合、「何本、放送するかの本単位」ではなく、「累積視聴率(GRP)が、どれくらいに達するかの%単位」で発注します。ですから、視聴率が下がることは直接、お財布に影響します。
しかし、本日触れたいのはそのマス(視聴者が多い)ではありません。
広告主の「マス」の問題です。
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2008年06月17日
「結局、広告なんじゃん」と言われない為に・・・
今日の朝のコマーシャル2題。
まずビックリしたのはトヨタの「あしたのハーモニー」という、同社のエコロジーの取組の広告シリーズ。
最新作は友近がトヨタのプラグインハイブリッドを紹介している広告です。
でも、驚いたのはプラグインハイブリッドでも、友近でもなく、一番最後に出た「最終号」という言葉。
実は、この広告は今流行のWeb連動広告で、Web上ではタモリを編集長にした『あしたのハーモニー』というwebマガジンを発行しているのです。サイトは→こちら。
エコロジーの活動は、まさに「持続可能」の為の活動のはず。だったら「たった1年間で最終号ってなによ」と言われてもどうしようもない。結局、「タモリ(その他、タレント)」を使って「流行のエコ」で、「認知獲得」だけが目標だったんじゃないの・・・と。
実はWeb上で「最終号」だと確認している最中に、もう一つのコマーシャルが流れました。
それがVolvic(1liter for 10liter)キャンペーンの広告。Webサイトは→こちら。
こちらは以前にもこのブログで紹介しました。
こちらは「1年間の成果の報告」と「2008年の活動目標」の紹介。
昔、ナイキの方から「ブランドはアティチュード(姿勢・態度)だ」と聞きました。
ボルビックもたぶん、そういう意識であり、それがたまたま広告に出てきただけだという広告の作り方です。
それに対して(例え、トヨタがエコに取り組んでいようとも)、トヨタの場合は「まず広告から考えた」という感じがものすごく感じられますし、それが「日本の広告の現状」なのではないかと思います。
「広告はエゴで結構」という開き直りを感じてしまうのです。
先にも書いたように、これからの広告にとって
「エゴ(一企業の営利追求)を社会化・コミュニティ化する(多様な視点を持つ人々の関心事にする)」という方法は、これから重要になる。
と思います。
結局、「認知」しか重要な指標を持たない(それ以外の指標を設定できるが、本当にそれをトラッキングしているかは疑問)広告の限界であろうと言われも仕方がない。
それは広告会社の責任だけでなく、広告主側にも「アティチュード」が不足しているのだと思います。
少し、残念なトヨタの「最終回告知」広告でした。
2008年06月09日
「スポンサーシップ」の価値を見直したい
ちょっとマーケティング的に重要なので、サッカー日本代表ネタの追記として。
日本の広告代理店は、基本的に「メディア会社(新聞、雑誌、そしてテレビへ)の代理店」として歩んできました。そこには、「独占的なスペースを売る(メディアは許認可型(テレビ、ラジオ)にしろ、自由経済型(新聞)にしろ寡占形態が多い)」という商売で成り立っています。
そもそもスポンサーシップは、「独占」と「視聴率(あるいは発行量)」で成り立っているわけです。
そして、その為には「排除」と「煽り」が発達しているわけです。
そういう仕組みが分かっている電通さんは、だから「ISL」(オリンピックの五輪マークを最初に「商標登録」をした会社。ワールドカップの独占的広告権を仕切り、パッケージ商品化したことでも有名。既に破綻)をつくりました。
しかし先週末は、このスポンサーシップビジネス(排除と煽り)に、ちょっと棹さす事が起こりました。
○どう考えても、選手の生命生活を考えていない試合開始時間
○所属会社社員と、アスリートである事の狭間で悩む選手
○Hey! Say! Jump!よりも格好良かったし、視聴者を感動させた選手
○でもHey! Say! Jump!なんかの煽りが見たくなくて大事な試合を見逃した視聴者(私だ!)
○(少し前ですが)独占スポンサーなのに、聖火リレーに距離を置く
私自身は、そろそろスポンサーシップについて考えるべき時期が来たのではないかと思います。
単に「露出度」だけを指標にするのではなく、「顧客がスポンサーに感謝する(スポンサーが顧客に感謝するの誤植ではない)」ようなプログラムは無いのでしょうか?
そうでないと、いつかスポンサーシップビジネスは壁にぶつかる気がします。
そういう例は(小さくは)出現していると思うのです。
例えば「アルビレックス新潟」と「ローソン」の関係。(詳しくは「ココ」を)
Jリーグ(の地方チーム)では、こういう話はけっこう転がっています。
あるいは、某社がある少年大会のスポンサーになったときのことです。
(※もうスポンサーをされていないそうです。ですから、これからの話は私個人の過大評価かも知れないことをご承知おきください)
元々は、お付き合いからスポンサーになったらしいのですが、「コーチ」に注目して、彼らをサポートしてあげることを考えたことで、通常は販促用の小冊子に大変な追加注文が来たのだとか。その小冊子は既に「登録選手分」は配布完了していたので、実に大変なことになったのです。
かなり前になりますが、首都高速道路公団(はい、もうありません)の「料金値上げ広報」に取り組んだときも、そうでした。
「広告を議論の場」として、「広告のスペースは誰にも邪魔されずお客様と向かい合う窓」と位置づけたことで、それまで「1000人単位」もいたフリーラーダーズクラブ(値上げ支払い拒否)が、その時には「1人だけ」になったのです。
こういった「エゴ(一企業の営利追求)を社会化・コミュニティ化する(多様な視点を持つ人々の関心事にする)」という方法は、これから重要になると思います。
もちろん、その場合は「一試合のスポンサー権を切り売り」するという方法は使えないでしょう。(この方法は、スポンサー権が高価すぎるため、考えられた方法だと思われる)
しかし、「(実効性のある)尊敬されるスポンサーシップ」が成り立てば、その分のプレミアム価格を企業は甘受してくれるのではないでしょうか。
サポーターであるスポンサーにサポーターがつくプログラム。
「煽り」があきられつつある今(見てもいないのに「マジックアワー」に冷ややかな目をする人が周りに多いのです)、広告会社が次に考えないとならない課題ではないか、と私は思います。
2008年05月25日
アイデンティティの大切さ、って忘れてしまいそうだけど、こんな風に思い出すんだ
docomoが、★をつかったり、あるいはdocomoと小文字で書いていますが、なぜ今までのロゴを捨ててしまったんだろうと正直思います。
・・・というのは、このロゴ全体が良いというよりも、ロゴのバックグラウンドデザインを生かせると思うからです。
そのバックグラウンドデザインとは、
コレです。
例えば、 のロコですと、もう社名が変わったら(無いとは言えませんよ)何の継承も出来ないのです。
いや、継承をしなくても良い、と思っても、例えば系列会社(例えばデータ通信専門会社など)やインターナショナル展開など、色々な関連展開に、このバックグラウンドデザインが使えるからです。
私にはこういうCI系のデザインにも、「ブランドデザイン」と「セールスデザイン」の組み合わせがあって良いと思います。
ブランドデザインといのは「地」。例えばカラーもそうですし、IBMのブルーバック、あるいはミッキーマウスで最近見られる3つの円を組み合わせたデザインがそうです。
その上で、今の時代や仕事のドメインにあった「セールスデザイン」を組み合わせる。
今までは「ブランドデザイン」が会社のロゴ。「セールスデザイン」がタグライン(富士ゼロックスにおける"Document Company”など)というとらえ方が基本だったように思えますが、バックグラウンドデザインを「ブランドデザイン」と捉え、その上に「文字」などの「セールスデザイン」を載せるという方法論もあるはずではないでしょうか?
アイデンティティは「意味がない」というか「形状」というか、そういう言語的な意味のない部分を生かす工夫が必要なのでは・・・。
例えば、こういうデザインを見るとき、もっともっとアイデンティティの可能性を考える必要があると思います。
これ横浜西口にあるミルキーソフトという新しい不二家のアイスクリームパーラーです。
2008年05月21日
野菜にだって、ヒトは伝えたいことがある
日本の農業の不幸は、「工業化」にあると思う。
「工業化」とは、システムがモノをつくるのであり、ヒトがモノをつくる・・・というのはあまりに遠いものです。
ヒトがつくらない(比喩的な意味で)ものにはメッセージ(つくり手の思い)がない。おそらく「効率」の話は出ても、ものそのものの愛情の話はできないのでは、と思います。
私はこれからのブランドには「愛」がなくては、行けないと思います。
しかもその愛はモノだけでなく、それを愛して買ってくれる人たちへの愛も含んでいます。
そんな私に刺さった東急ストアの新しい試みを紹介します。
これについては、何も説明しません。
皆さんがこれに何を感じるか、考えていただければ幸いです。
(どの写真も、クリックすると拡大します)
QRコードは、写真を拡大すればアクセス可能です。
2008年05月14日
今度は「3.0」でしょうか? docomo New VI導入
docomo版メガブランド戦略とも言うべき「docomo2.0」キャンペーンが始まったときに心配していたことが現実になりました。
皆さんもご存じのようにdocomoが新しいコーポレートブランドを導入しました。
同時に会社からのメッセージやCMも一新されました。
結局、「docomo2.0」の広告が諸事情(端末売り切りの新プラン導入)によって、「端末広告」(端末広告なんて、端末会社にやらせればよいのだ)になったのに対し、例えばsoftbankは「家族割」というキャリア会社でしか出せない商品を明確にし、それを「ホワイト家族」で訴求したわけです。
少なくとも「企業」=「商品」=「コミュニケーション」という連関において、「2.0」は失敗なわけです。
ただ、もっと問題は・・・・
その程度の「キャンペーン」に、『2.0』などと言う言葉を使ってしまったこと。
その結果、新しいVIを導入しても、「どうせ、中身のない思いつきに過ぎないのでは」という印象を与えていることです。
私たちブランドやCIに関わる者、特に「言葉」に関わる者は、(言葉は瞬間で生まれるからこそ)その言葉に責任を持たなくてはなりません。
他山の石にしたいと思います。
「2.0」から「手のひらの明日」では、明らかにスケールダウンだよなあ。
ちなみに間抜けなのは未だに「お店」でも「ドコモサイトのトップページ」でも未だに
ロゴを使っていること。
実はロゴは「7月1日から正式に使用する」とのことです。
2008年04月23日
並ばせることを良しとせず@クリスピー・クリーム・ドーナツ
今年(2008年)は東京ディズニーランド開園25周年。しかも、毎年入場者を増やしているマーケティングの見本のようなケースです。
しかし、(恥ずかしながら)私、ディズニーランドはもう20年くらい前に1回行っただけです。なぜなら、そのたった一回の経験が非常に悪かったから。夏の炎天下の下、あるアトラクションに2時間近く並んでいたのですが、そこに並んでいる人達への一切のサービスはなし。その姿勢に非常に不快感を覚えたものです。
並ぶのはお客の勝手。でも、その勝手に甘えてはいけないと私は思うのです。
今は変わってきたと聞きますが、開園数年を経た時点での姿勢としては頂けないと思います。
さて、前振りが長くなりましたが、今日は新宿の大行列スポット、クリスピー・クリーム・ドーナツです。
そして、これはある平日の午後のクリスピー・クリーム・ドーナツ。一番後方では1時間待ちになっています。
ところで、この写真、何か気がつきませんか?
クリックして皆さんの手元を見てください。
それでも分からなければ下の写真を見てみましょう。
そう、並んでいる人に無料でドーナツを配布しているのですね。
実は私もあるお店のサービス改革で、このような「並んでいる人へのサービス」を提案しようとしていたのです。
また8月3日、4日の長岡祭りの日に実施している、紅屋重正本店の前の「冷たい水の無料振る舞いサービス」も、「お客様、お疲れ様です」という気持ちを一番に考えるからです。
飲食商売は決して高利益ではないので、こういう「無駄な支出」を締めたくなるもの。だからこそ見習いたい事例です。
2008年03月12日
始りましたフーデックス
茶葉料理の途中ですが、日本国内最大の食品見本市"Foodex Japan"が始りました。
Foodexは、基本的に業務用の食品が中心ですので、有名メーカー(カゴメやキリン等)のブースはありませんが、その分、海外ブースが充実しています。
(こちらはカナダの係員)
今年は、まだ海外ブースに比べるとスペースは小さいものの、国内ブースも盛況。地域ブランドの盛り上がりを感じます。
今回はnosigner氏との共同作業で、ちょっと素敵なパッケージ群を展示しています。
その素晴らしいチャンスを頂けたのは「日本緑茶センター」のブース(6C30)内。
もし、機会があったらご覧ください。
2008年03月01日
ダブルスタンダードからオープンスタンダードへ
米国のスターバックスが全店で一斉休業をしたそうです。
スタバ離れ」に危機感、全米13万5000人の従業員にエスプレッソのいれ方を再教育
2月27日14時5分配信 Yahooニュースより引用
スターバックスでの体験は、エスプレッソを入れるバリスタが、コーヒーに対する情熱を顧客と共有することによって生まれる―米スターバックスCEOのハワード・シュルツ氏は言う。しかし、それを実現するために、彼は全米で7000を超える店舗を閉め、13万5000人におよぶ従業員に対して、店内でトレーニングを行わなければならなかった。
同社は2月26日にいっせいに行われたこのトレーニングによって、スターバックスのコーヒーの品質維持をはかると同時に、米国以外の43か国でも来月からトレーニングを展開するとしている。米スターバックスは、景気後退などの影響による業績が悪化や、味に対する厳しい批評などによって、危機感をつのらせている。
もちろん、このようにニュースになるように広報的な効果を狙ったものだと思います。
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2008年02月06日
2008年01月29日
「かしこ」の背景にあるストラテジー
「かしこ」には3人のプロデューサーがいます。
一人は「お菓子(品質)」のプロデューサー、小出ユリ子。
一人は「デザイン(アート、コピー)」のプロデューサー、福田毅氏。
そして、「ブランド戦略」のプロデューサー、小出正三です。
「かしこ」には、プロデューサー毎に異なる側面があり、それがこのプロジェクトの面白さに繋がっています。
ですから、ここから書くことは、あくまで「ブランド戦略」からの視点です。
「ああ、かしこ には、そういう側面もあるのね」と考えていただければ結構です。
一方、ブランド戦略の視点から言うと、「かしこ」はブランド2.0的な側面を強く持っています。
・・・というより、私自身のブランド理論を(論だけではなく)、現実化してみせよう、という側面があるのです。
その考えを「モノづくり王国:ニイガタ」の人達に知って貰いたい、そういう願いが今回のIDSニイガタデザインコンペティション出展にはありました。
さて・・・
続きを読む2008年01月11日
パナソニック・ブランドについて思う
もう皆様もご承知の通り、松下電器産業が
1)商品ブランドを「パナソニック」に統一、
2)明確なブランド戦略が採られていなかったコーポレートブランドについても社名を「パナソニック」に変えることで明確化しました。
(ニュースリリースはこちら)
もしかしたら、コイデは「こういうコラムを書いている」ので、こういう方向性は反対だろうと思われる方も居られるかも知れません。
コイデは「これはこれで良い」のだ、これで「パナソニックの方向性が明確になった」と思っています。
その理由は・・・
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