2007年10月15日

第3回デザイート:新村さんの言葉は内藤のパンチよりボディーに響くのだ

皆様にもご案内したように「第3回デザイート」が無事、終了しました。

今回のメインゲストは新村さん。
一番最初の名刺交換の先制から、
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がっちりとオーディエンスの気持ちを掴んだ新村さんは、シャイで決して押しつけることはありませんが、的確な指摘をどんどんとボディーに打ち込んでくるタイプ。
最初は静かだったオーディエンスからも、矢継ぎ早に質問が飛びます。

今回、一番のパンチ(指摘)は、

一言で言い表せないコンセプトでは人の心は掴めない(大意)

でした。

うーーーーーーん

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2007年10月05日

「こだわり」と「極め」・・・あるいは「神は細部に宿る」・・・あるいは「コンセプトは本当は大事ではない」


良いコンセプトの書き方の一つに、「似て非なる」を利用する方法があります。
これを使うと、非常によい表現に達することができます。
なぜなら、企画やコンセプトの特性の一つに「良いモノから、更に良いモノを選ぶ」という点にあります。

企画、特に競合の企画というのは、「良い企画と悪い企画」が競り合うのではなく、「良い企画と良い企画」が競り合っています。つまり、大きな方向は同じ。問題は最初にある小さな差に有ります。いや、その小さな差こそ大事
その小さな差が、実行まで至る長い時間の間に大きな差になる。だから最初の小さな差にしっかり目を向けさせることが重要なのです。
だからこその「似て非なる」表現なのです。

私自身は昔、

不満はなくせないが、
不平はなくせる

というコンセプトを提示したことがあります。
「不平」と「不満」。似ているような言葉にワザと違いをつけて、その違いを強く意識させるのです。

ここでは「不満」は絶対なくせない人々のニーズ。「不平」は、その不満を聞いて貰えないことから生じるイライラ。
前者は理性的で建設的な可能性を持っているが、後者は感情的で破壊的な可能性を持っている。
この差をキチンと理解させるために、似た言葉を対比させて使ったのです。
(この言葉がどう使われたかは、いつかご説明したいと思います。 )

これはテクニック的にはCompare & Contrastといいます。
Compareは「似ている点を挙げる」こと。この場合では言葉の似ている点を指します。
そしてContrastとは「違いを際だたせる」こと。この場合は意味の違いを指しています。

もう一つ、このテクニックを使った素晴らしい言葉を紹介しましょう。
紹介するのは最近、このブログで紹介することが多い中村屋の大将、中村栄利さんの言葉です。

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2007年10月02日

「ブランド的なコンセプトづくりの方法」について

昨日、書いたことをまとめると・・・

コンセプトとは・・・
1)何をやるのかの発想の原点
  =市場の中での形づくり(位置づけ)
2)何故やるのかのやる気の原点
  =組織の中での形づくり(位置づけ)

であると書きました。

もちろん、他の考え方もあるでしょうが、ブランド的にはこの「内と外という2つのアプローチが重要です。
ここが、例えば表現コンセプトと異なるところ。

 

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2007年09月30日

「何をやるか」ではなく、「何故やるのか」が大事なのだ

暑い暑い9月でしたね。
考える仕事には厳しい季節でした。
その中で、今月は2本のコンセプトを書きました。

こう書くと、ひどく日常的な感じがします。
しかし、実際に私が書くコンセプトは年に両手に余るほど。(逆に言えば、コンセプトは仕事の核心とも言えます)
ですから月に2本も書くのは、実はそんなにあるわけではないのです。

そこで、今日から何回か、久しぶりにコンセプトを書くことを考えてみようと思っています。

第一回目のタイトルは、
「何をやるか」ではなく、「何故やるのか」が大事なのだ。

さて、それはどういう事かというと・・・・

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2007年04月23日

果たして"Vision"は必要か?

ブランドづくりをやっていると、必ず「Visoin」の話が出ます。
"Visionary Company"という素晴らしい本(素直に良い本です)もあり、Visoinが会社を引っ張るという意見も強いものがあります。

でも、「人を動かす」という観点に立つと、どれだけの人がVisionで動くのでしょうか?
※この場合のVisoionとは、会社の「あるべき姿」、「将来のビジネス目標」などを言います。

確かに、「ウチの会社は、将来、ここまで大きくなるから、自分もそれについて行こう」という方はおられると思います。しかし、一方で、「働き方」や「仕事の小さな成功を通じての自己実現」を求める人も多いのでは。
特に「こんな学歴を持っているのに・・」という人の中に、そういう人を見つけることが多くあります。

今日、そういう会社の副社長と、その会社のブランディングについて話しました。

結論として、「Visoion→それを達成するための働き方」という論法ではなく、
「意味のある働き方→それが結果としてVisionにつながる」という論法を取ることにしました。

それがこの会社の働く質を高め、結局はお客様満足に繋がるからです。
ESあってのCSです。

ブランドをトップダウンではなく、「ボトムアップで書く」という経験を頂ける。
これこそブランド2.0の実践で、本当にこういう仕事が出来て幸せです。

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2007年03月19日

「そうだ 京都、行こう」が気になる。

「そうだ 京都、行こう」

最近、観光の仕事をしていると、やはりこのコピーに行き着いてします。では、このコピーのすばらしさは何処にあるのだろう。
それが、わかればコンセプトを書くときの大きなヒントになるはずです。

よいコピーは、それだけで楽しめばよいとも思います。
でも、「心を動かすコンセプトを書きたい」(これは、このエントリーのジャンル名でもありますが)という気持ちは抑えがたく・・・。

では、私の解釈を!続きを読む
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2007年02月17日

榮久庵さんの言葉:最終回

今週は、ずっと榮久庵憲司さんのお話しを続けてきました。

それは、彼の言葉の中に「コンセプトを書くとは何か」の一番大事なエッセンスが詰まっていると思ったからです。

そして、これが一番大事な言葉だと思っています。

インダストリアルデザインを説明するために彼が話している言葉です。

製品の人間化が目標である。


この言葉には、ごちゃごちゃと説明をつけません。
この言葉に、それぞれ感じるものがあってよい。
その感じる部分が、コンセプトを書く、ということにつながると思います。

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2007年02月14日

傾聴すべき言葉は続く:なぜブランドは高いか?

今日も榮久庵憲司さんの著書『インダストリアルデザインが面白い』からお気に入りの一言を紹介したいと思います。

さて、蛇足から。
私は、講演を受けた場合、基本的に2つのテーマのいずれか一つをお話しします。

一つは「ブランド2.0」というテーマ。
これは、ブランドを「モノ」や「会社」の名前ではなく、『ビジネス』の名づけとして考えよう、というテーマです。
いわゆる『経験価値』とは何か、それをどうブランド化するのかがテーマです。

そして、もう一つが「ブランドはなぜ高いのか?」というテーマです。
これは「ブランド2.0」と相互に関連しますが、特に『ブランドが与える満足とは何か?』にテーマを絞っています。

さて、『インダストリアルデザインが面白い』の34頁に、これに関連した素晴らしい言葉があります。それは・・・続きを読む
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2007年02月11日

傾聴すべき言葉は続く:2行コンセプト

2月1日に榮久庵憲司さんの言葉を紹介しました。
今日は、彼の著書を紹介したいと思います。




本自体は良くも悪くも新書。書き下ろしと言うよりも語り下ろしという感じで、体系的に彼の考えに近づくのには向かないかも知れません。

しかし、その中にも珠玉の言葉があります。
それを何回かにわけて紹介したいと思います。続きを読む
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2007年02月05日

インサイトをエキサイトに(コンセプトの書き方)

週末に・・・
と言いつつ、週末は39.3度の熱で倒れていました。

さて、下記の言葉は何が素晴らしいのか?
それは、「真実をスタートに、新しい視点へと運動している言葉」だからです。

グロバールって「安い」ってことでしょ。


ここには「真実」があります。
そして、それは表面の現象的な真実ではなく、背景にある根源的な真実、すなわち「インサイト」です。

それに対して、

ローカルが高いんですよ。


これは真実ではなく、ものの「新しい見方(視点)」です。
しかし、単なる視点ではなく、人の目を開かせヤル気にさせる視点、すなわち「エキサイト」です。

重要なのは、この「真実」から「新しい視点」の間にある「運動」です。続きを読む
posted by BLC at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 心動かすコンセプト書きたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする