2008年01月11日

パナソニック・ブランドについて思う

もう皆様もご承知の通り、松下電器産業が
1)商品ブランドを「パナソニック」に統一、
2)明確なブランド戦略が採られていなかったコーポレートブランドについても社名を「パナソニック」に変えることで明確化しました。
(ニュースリリースはこちら)

もしかしたら、コイデは「こういうコラムを書いている」ので、こういう方向性は反対だろうと思われる方も居られるかも知れません。

コイデは「これはこれで良い」のだ、これで「パナソニックの方向性が明確になった」と思っています。

その理由は・・・

 

私の言葉で説明させていただくと、パナソニックは「ブランド1.0」の企業です。

「ブランド1.0」とは、ブランドの価値は「製造者が提供する品質(安心価値)」にあり、「品質の向上こそが成長の源泉」であり、用いられる戦略は「競合他社に対する競争戦略」であり、その経済的基盤を「規模の経済」に置くブランド。いわゆる「モノづくり」ブランドです。

蛇足ながら「ブランド2.0」と言う言葉は、私の使い方としては、「ブランドの価値は「生活者の体験する満足(エンターテインメント価値)」にあり、「顧客の成長こそが(自社の)成長の源泉」であり、用いられる戦略は「顧客に対する関係戦略」であり、その経済基盤を「範囲の経済」に置くブランド。いわゆる「物語」ブランドです。

ブランド1.0であるからこそ、まずは「規模の経済」は、同時に「お客の安心=品質」に直接的に繋がります。売上がグローバル化する松下としては、その「規模」を顧客の「ブランド像」と一致させるために、「パナソニック」に一本化をするのは無理もないと思います。

また、既に20年前に「若年層でソニーブランドのイメージを逆転していたパナソニック」ですから、ちょうど今の30代以降は「パナソニック世代」と言えます。
このパナソニック世代が「家電の買い手の主役」(つまり子育て期)に入ってくる以上、特に「家電はナショナル」にこだわらなくてもよいわけです。

さらに、1月10日に発表された松下電器産業の「2008年度経営方針」によると、パナソニックの大きな戦略に「(3) モノづくりイノベーション本部の展開」があり、やはり「パナソニックの方向性はブランド1.0のモノづくりブランドにある」ことがハッキリしています。

私が「セブン・アンド・アイ」に対して批判的だったのは、その価値は(確かに仕入れについては規模の経済が働くでしょうが)、顧客から見た価値は「範囲の経済:ブランド2.0」であるからです。
例えば、デニーズの隣にガストがあったとします。で、たまたまあなたがガストに入ろうとしたときに、隣に住んでいる家族がデニーズに入ろうとしていました。気分は良いですか?
ブランドの価値が「経済合理性」ではなく、「差別性(の固定化)」にある以上、ブランド1.0では限界があるからの反対だったのです。

一方で「家電製品の前には人は皆平等である」パナソニックでは、2.0である必要はないのです。

 

ただし、心配もあります。
松下電器産業の「東南アジア化」「中国化」です。
この会社はブランド1.0を目指す以上、その闘いは「ある特定の消費者層との生活価値をめぐるしのぎあい」ではなく、「ハイラール、その他の安売り製品との熾烈な市場競争にある」と思います。
これはGMやフォードが進んできた道ですね。

さて、私が心密かに思っていることは、松下の「エコライフ」関係の人たちがどういう意識をもつのかです。

現状の「エコライフ」はブランド2.0的(顧客の成長(意識の高まり)に依存する)です。
パナソニックのブランド1.0の流れに組み込まれる(革新的な低価格のエコ商品でグローバル展開)のか、パナソニックブランドに対抗して新しいサブブランドを立てていくのか・・・・。
興味深いところです。



posted by BLC at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 不易流行通信番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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