2007年09月30日

「何をやるか」ではなく、「何故やるのか」が大事なのだ

暑い暑い9月でしたね。
考える仕事には厳しい季節でした。
その中で、今月は2本のコンセプトを書きました。

こう書くと、ひどく日常的な感じがします。
しかし、実際に私が書くコンセプトは年に両手に余るほど。(逆に言えば、コンセプトは仕事の核心とも言えます)
ですから月に2本も書くのは、実はそんなにあるわけではないのです。

そこで、今日から何回か、久しぶりにコンセプトを書くことを考えてみようと思っています。

第一回目のタイトルは、
「何をやるか」ではなく、「何故やるのか」が大事なのだ。

さて、それはどういう事かというと・・・・

 

さすがに今やっている仕事の話は出来ませんので、昔の話で説明します。

コンセプトというと、「何をやるか」を書くことだと考えられるようです。

いや、正しいんですよ、それで。
コンセプトは「これからやる未知の目標に現実味を与える」ことですから。
正確には「明日、何をやるかの発想(機能展開)の原点(基準)」なんですが。

例えばスターバックスの"the 3rd Place"。
1st Placeの自宅、2nd Placeの職場が禁煙なら、3rd Placeだって禁煙でよいはずです。
これは「何をやるか」の発想の原点になった例。3rd Paceはどういう条件が必要か・・・。それを考えるために、このコンセプトがスタートラインになっています。

逆に言うと、コンセプトの後には、その条件や尺度などを書く必要があります。

しかし多くの場合、その「何をやるか」に注目が行き過ぎ、「何故やるのか」を見ていないコンセプトが多いです。

例えば、今、旅館のリニューアルなどのコンセプトのほとんどは「和モダン」。日本的な旅館にホテルのサービス、デザインもレトロモダン。

でも、「何故、それをやるか」。

流行っているから?
でも、それなら結局は「新しいところは、どこへ行っても変わらない」ですよね。

「何をやるのか」は、市場や消費者を見つめたやり方です。
広告会社やマーケティング会社にコンセプトをお願いすると、往々にして出てくるものです。
しかし、良いコンセプトは市場の未来を形創るだけでなく、企業の未来をも形創らなくてはなりません

「何故やるのか」は、自分たちの中での、時に社会の中での、その行動の意味です。これこそアイデンティティと言っても過言ではありません。
それがないと、絵に描いた餅になってしまいます。

例えば、以前に私が旅館リニューアルでつくった初期コンセプト(その後、コンセプトは幾度かのリバイスと深めをやっています)は「伝統は私が創る!」。(※あ、いちおう言っておきますが、お得意先にご迷惑をかける場合がありますので、多少変えてあります)

これは、「和の旅館なのに、スタッフ自身がもう和では育っていない」という現状への危機。更に、「今更、古い日本を学び直してもお客様に勝てない(昔と違い、今はお客様の方が勉強している)。むしろ、自分たちが新しい和を創造することで、お客様を超えていこう」という必要。更には「今、日本の新しい和の世界を、若い才能が造り替えようとしている。しかし、伝統の産地が逆にじゃまになって世に出ていない」という問題(というか逆に見た場合のチャンス)。

実はこの旅館は「進取の精神」というのを非常に大事にしていて、単なる「和モダンの部屋をつくる」作業が、「自らの新しい価値を生み出す総合的な活動」に変わったのです。
作業的にはかえって大変になりましたが、細部へのこだわりのある、良い方向へと進んでいきました。

これは実は「ブランド的なコンセプトづくり」の方法です。

ではブランド的なコンセプトづくりの方法とはなにか、それは次回に。



posted by BLC at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 心動かすコンセプト書きたい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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