2007年09月08日

アジアカップの再放送?オーストリア0−0日本

アジアカップの再放送?
という批判は各方面から出るでしょう。
しかし、「FWの決定力不足」という観点で見れば、たかが数ヶ月で解決できる問題ではありません。「工夫」という意味では、ミドルシュートやボールのアプローチでは、意識の高まりも見えます。ただし「サイドアタック」という意味では、ライバルとなる選手の登場がないと、活性化しないかも知れません。

だから別の視点から、この試合を考えたいと思います。
注目点は「ワントラップ目」です。

今日の試合で一番改善されたのは、中盤やディフェンスの選手のボール回しにおける「ワントラップ目の工夫」でした。
今までの日本代表のワントラップ目は、バカ正直というか、ボールの来た方向に向かってキチンと止める感じが多かったのです。イメージとしては「足下にピタッと止める」という感じです。(よく、グラウンダーのボールをワントラップ目を弾ませてしまう日本選手を見かけますが、実はあれこそ「足下にピタッと止める意識」が過剰な例なんです)
つまりトラップが、次のプレーとつながるのではなく、どちらかというと「トラップという独立したプレイ」になっているのです。
結果として、次のプレーは止まった時点からの「(自分の中での)動き直し」になるので、相手は次のプレーが読みやすいのです。日本代表がよくパス回しのボールをかっさらわれて、逆襲される一因には、こういった「次のプレーが読みやすい」点にもあります。

しかし、中盤のトラップとは「ただ次のプレーに流してよい」ものではありません。トラップが流れすぎると、次のプレーの選択の幅が狭くなります。(FWのゴールに向かうトラップは、この限りに非ず)
ですから、ワントラップ目は、「流しすぎず、止めすぎず」という微妙なバランスが必要です。

実は、このプレーが抜群にうまいのが中田英寿。
彼はワントラップの際に、体から2、3歩の距離に離してトラップする名人でした。特に相手に背を向けてトラップするときに、わざとボールを数メートル流すことで、相手の正対ポジションのタックルを外して(正対ポジションは反転に弱い)、相手ディフェンダーが寄せてくることで生じる空間を巧みに利用していました。
中田のすばらしさは、ワントラップ目のプレーの選択で、体格で劣る日本人が目指さなくてはならない「流れの中で発揮される技術」のお手本だと思います。

さて、話が飛んでしまいましたが、オーストラリア戦では日本の選手のワントラップ目に変化がついていました。今までの「止める」から、「次のプレイの一環」になっていました。しかも、そこから切り返してくるために、相手が日本のプレイを絞り込めませんでした。
それが「パス回しのボールを失う」というピンチが大きく減った原因でもあります。

ちなみに、このワントラップ目の変化が一番少ないのが、加地選手だったりするのです。だから、サイドが手詰まりになるのかも知れません。

選手の技術というと、どうしても派手なプレイで見てしまいます(ボレーとか、ドリブルとか)が、本当の技術を見る上で「ワントラップ目」は注目点です。
また、これを見ると「まだまだ日本は世界から遠いなあ」と思ってしまいます。


さて、今日はU-22だ。



ちなみに私の中で、ワントラップ目の名人はピクシーとマラドーナにトドメをさします。特にワールドユース(グループラウンドの対ユーゴかどこかの東欧の国)で間近に見たマラドーナのトラップは、(中田と同じ)3〜5m外してトラップすることで、一度に3人の選手をかわしたマジックのような技術でしたよ。


posted by BLC at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | No Life, No Football | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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