2007年07月24日

Jリーグはブランド2.0の典型である

最近、調子が悪いこともあり、すっかり更新が滞っている我がBLOGですが、アクセスのランキングがどんどん上がっています。
たぶん、サッカーネタが多かったからでしょう。

で、今日もサッカーネタです。
しかしマーケティングネタでもあります。
しかもブランド2.0話です。(久しぶり)
どうぞ、楽しんでください。


さて、サッカー界ではU-20の快進撃と劇的なPK敗退、そしてA代表の怪進撃と劇的なPK勝利に隠れてではありますが、一つのコラムが話題を呼びました。
そのタイトルは
そんな「12番目の選手」なら
asahi.comの署名記事です。

詳しい内容はリンク先を見てください。
全体の流れを引用によって構成すると(だから、必ず原文は確認してくださいね)

仮にあなたが、無類の映画ファンだとする。地元の映画館で「話題作」と言われる作品を勇んで見に行ったが、全くの期待はずれだったとしよう。(中略)
大人1枚1800円のチケット代を払った作品が、たとえつまらなかったとしても、見たいと思ったのはあなた自身だ。懲りたなら、もう劇場に足を運ばなければいい。
映画をサッカーに置き換えてみる。お金を払って観にいく、という興行と割り切れば、私はサッカーも同じだと思う。


ライターはここから「大分のサポカン」の感想に入ります。
「サポカン」とは「サポーターズカンファレンス」の略で、サポーターと経営者が直接、顔をつきあわせてミーティングをすることを言います。

私が今季、担当する大分トリニータは7月8日、同市内で約300人を集めたサポーターズカンファレンスを開いた。(中略)
カンファレンスでは、素朴な質問もフロントにぶつけられたが、「責任の所在をはっきりしろ」と語気を強めたサポーターもいた。
立場をはき違えたサポーターの「ガス抜き」の場にもなったのは予想通りだった。


この記者はたぶんJリーグをほとんど取材したことがなかったのではないでしょうか。サポーターズカンファレンスは、Jリーグのほとんどのチームで行われているし、むしろサッカー界の日常風景とも言えます。
確かに厳しい渡り合いもありますが、「同じチームを愛する者」というギリギリの約束は存在しています。

この記者はたぶん「フロント(経営)=チーム」という野球のモデルを未だに念頭に置いているのではないでしょうか?
このモデルは、明確に「供給者」と「消費者」が分かれており、供給者が提供するのは「競合に勝てる品質」であり、消費者は消費するだけで価値創造には参加していません。

つまりブランド1.0です。
ブランド1.0だから、認知度・全国規模の人気度が問題になります。


しかし、Jリーグの本当に面白い点は、今まで消費者の位置にあった人達が「価値創造の担い手」として参加していることです。
もし、この「参加性」がなければ、Jリーグは社会人リーグにかっこよい名前をつけて、それらしく飾った(ブランド1.0でよくある手法)ものに過ぎなかったと思います。(それはVリーグやJBLを見ればわかる)

「消費者の価値創造プロセスの参加」
これこそがJリーグの本当の意味ですし、ブランド2.0的である証です。
よく地域密着と言いますが、単に地域に密着すればよいだけではない。
本当に必要なのは「価値創造プロセスへの参加」なのです。



ブランド1.0とブランド2.0の大きな差。
それは「消費者から価値参加者」というコペルニクス的な転換にあります。
ブランドづくりに「お客様は神様」は不要です。(注:マーケティングには必要ですよ。でもブランドづくりに必須ではありません)

しかし、「価値創造プロセスへの参加者」との対話は必要です。
消費者なら誰に聞いても良いという訳ではない(誰に聞いても・・・というランダム性が、或る意味でのアンケート調査のベースになっています)、「本当に価値創造プロセスに参加する人達との対話」こそブランドの鍵です。

たとえばパナソニックのLet's noteがそうですし、「かしこ」もそうです。

「かしこ」は一箱2800円もします。こんな価格は消費者調査からでは肯定されないでしょう。
しかし、私たちは「価値創造プロセスに加わってくれる人達」に聞いて、この価格を設定しました。
その「価値創造プロセスに加わってくれる人達」とはどういう人達か?
それは、「日本文化の再興を一緒に考えてくれる人達」です。
「かしこ」はそういうお菓子ですし、逆に言えば、そういう意識の高い方に買って貰いたい。
私たち自身、あの価格を頂いている最大の理由は、「モノへの対価」ではなく、「頑張っている職人への応援」だと思っています。

Jリーグから「かしこ」まで、かなり飛躍した話になりましたが、ブランド2.0の思考法の一端をご理解いただけたかと思います。

「不特定の消費者」から
  「特定の価値創造プロセスへの参加者」

そして、

「シェアの奪い合いという競争戦略」から
  「顧客との価値創造の対話という関係戦略」構築へ

一度、ブランド2.0を考えてみませんか?


posted by BLC at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 不易流行通信番外編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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