さて、蛇足から。
私は、講演を受けた場合、基本的に2つのテーマのいずれか一つをお話しします。
一つは「ブランド2.0」というテーマ。
これは、ブランドを「モノ」や「会社」の名前ではなく、『ビジネス』の名づけとして考えよう、というテーマです。
いわゆる『経験価値』とは何か、それをどうブランド化するのかがテーマです。
そして、もう一つが「ブランドはなぜ高いのか?」というテーマです。
これは「ブランド2.0」と相互に関連しますが、特に『ブランドが与える満足とは何か?』にテーマを絞っています。
さて、『インダストリアルデザインが面白い』の34頁に、これに関連した素晴らしい言葉があります。それは・・・
モノによって自分を貴める(たかめる)
多少、引用を続けます。
昔の人たちはモノの本質を見極める術に長けていた。もし、それが紛い物であれば、自身の評価まで下げてしまうからだ。
ここでいうモノとは決して高価なものでなくてもよい。金にまかせて身の回りを飾っても野暮になるだけだ。質素でも価値のあるもの、安くても確かなものを選び、身につけ、身の回りに置いてこそ、その人の評価が決まる、いわば精神の貴族になりうるのである。
「ブランドが高い理由」。それは、良い商品をつくるというだけではない。『よいお客様を育てることである』、というのが私の主張です。まさに、この「モノによって自分を貴める(たかめる)」こそ、その精神なのです。
昔、「いつかはクラウン」というコピーがありました。
この場合、偉いのはクラウンであり、人の方がクラウンに合わせたわけです。
それに対して、「プリウス」という車を考えましょう。
プリウスで偉いのは「エコを気遣う私」であり、プリウスの方が、その人に合わせています。
レクサスが不調なのも、「偉いのはレクサスではなく(従来のブランド)、お客様の生活スタイルのすばらしさ(新しいブランド)」であることが徹底できていないからではないでしょうか。
レクサスのサービスは丁寧ですが、「お客を見ていない」サービス。だから、愛されないのではないかと思ってしまいます。
例えばベンツは「保守的であることは非常に健全なスタイル。私たちは賛成します」と伝えています。
逆にBMWは「能ある鷹には必ず爪がある」という誘いをしています。
これからのブランドは「人を貴める」(ちなみに、この"貴める"という当て字のセンスが抜群です)ブランドこそ、高く買っていただけるブランドになるのではないでしょうか?
※コマーシャル:そういう講演(だいたい90分くらい)をやっています。いかがです、一度聴いてみませんか?面白いですよ。ご興味があればinfo@brand−ing.jpまでご連絡下さい。


