2006年09月07日

なぜ、私は「コーポレートブランド」に反対するのか?

「ブランド」というのは、人の耳目を集める力があります。
関心に「焦点を結ばせる」作用と言い換えても良いでしょう。

これは、消費者に対しても言えますが、社内にも言えます。


「製品」ブランドは「自社製品」に注目させます。
それは「品質へのこだわり」です。

「ビジネス」ブランドは「顧客」に注目させます。
それは「顧客満足・体験価値からの発想転換」です。

そして
「コーポレート」ブランドは「自社そのもの」に注目させます。
それは「歴史であると同時に、『上層部』」でもあります。

私が「安易なコーポレートブランドの乱用」に警告を与えるのは
(例えば、しつこいが"7&i holdings"など)
結局は「上に目のいく社員」をブランドが助長するからです。


ブランドが「企業と消費者との間の約束」と言うのなら、
社員の関心が焦点を結ぶ先を「顧客」に向けさせるべき。

ちなみに私がコーポレートブランドとしても良いと思うのは、
それが「組織体」ではなく、「メソッド」や「working process」
あるいは、その共有化する「理念」(これは、ある意味で
上の2つを足したものである)をブランドが指している場合のみです。


ソニーという会社の苦境は、実は10年近く前から明らかでした。
(私とつきあいのある人は、このネタを10年近く繰り返している
 ことはご存じでしょう)
50周年の社内報に、たくさんの社員の一言インタビューが載っています。
当時、35歳以上の社員は、異口同音に「設立趣意書に惚れて入社した」。
ところが、それより若い社員は「スマートな大企業だから入社」したのです。
これは、同じコーポレートブランドのように見えながら、
前者は「メソッド・working process・理念」をブランドが指していたのに対し、
後者は「組織体」をブランドが指していたのです。

私はこんなリスクを負うなら(基本的にコントロール不可能)、
ビジネスブランドを選択した方が良いと思います。

私が批判してやまなかったHITACHIも、最近は"uValue"という
ビジネスブランドを使用しています。
聞くところによると"Inspire the Next"って何?と得意先に聞かれて
黙ったり、ごまかしたりしていた社員が、
"uValue"って何?と聞かれると、堰を切ったように
「いやあ、これはですね」と話し始めるそうです。

ほら、社員の「焦点」が合ってきているでしょ。
ブランドの効用です。


posted by BLC at 20:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 自分への備忘録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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