2010年06月14日

『お客様を素敵にするビジネス(仮)』 原稿公開 第2回

現在、執筆中の『お客様を素敵にするビジネス〜Branding in Next Decade』(仮題)の初稿原稿です。
まだ初稿ですので、皆さんのご意見を戴きながら手直しをしていきたいと思います。どうぞコメントか、あるいはメールください。
御礼として、出版時に献本させて頂きます。

○全体の構成は「序章」+「本文6章」+「終章」です。

○今回は「序章」の2回目です。

第1回
===========================================

この本のテーマは、「ビジネスとはお客様を素敵にすること」です。

 

 この本のテーマは次の一言で表現できます。

新しい時代のブランドづくりは、「素敵で賢いお客様を自ら積極的に育てていくビジネス」。特にあなたが「ブランド」を確立したいなら、何よりも「あなたのお客様を、あなたが賢くする、素敵に変えていく」ことをビジネスの最も重要な課題ととらえるべきです。

 

 この本の提案、それはブランド・ビジネスの目的を「お客様を素敵にする・お客様の成長をお手伝いすること」に置こうと言うものです。そしてその為に、お客様に賢くなっていただき、そういった素敵で賢いお客様としっかりおつきあいすることで、自分たちをも磨くということなのです。

 英語ではスマートという一語が「賢い・機知に富んだ」、「おしゃれな・洗練された、流行の」、「きびきびした」という言葉の広がりを持っています。お客様をスマートにすることこそがこれからのブランド・ビジネスの本質なのです。

 

 そして、それはもう一つ重要な考え方を導きます。即ち

付加価値とは、モノに加えられた有用性や希少性、差別化要素のことではないのです。付加価値とは「お客様の成長の価値」のことなのです。付加される価値とは、モノを通じて生まれる出会いの中で、お客様が自分の成長を実感する時、その実感によって生まれる満足のことなのです。本当の付加価値とはお客様の成長の実感のことなのです。

 

 「お客様を素敵にする・賢くする」という言葉を聞くと、何となく企業側の不遜さ・傲慢さを感じられる方もあるかと思います。私たちは付加価値とは、「差別化」や「限定戦略」などによって自社の製品の特徴を明確化すること。そして、その「認知」を上げることで市場シェアを押し上げ、自社を成長(主に財務的に)させることだと考えてきました。そういう考えの中では、お客様を成長させるというのは企業の思惑という鋳型にお客様をはめ込んでしまうように聞こえます。

しかし、お客様を素敵にするビジネスを行っておられる先駆企業の経営者は、決まって「私たちはお客様に育てて頂いている」、「お客様の満足と毎日競争している」、「お客様の厳しい眼無しに私たちは成長できない」とおっしゃいます。「素敵にする・賢くする」というのは、自らのビジネスのハードルを上げることであり、最も厳しいライバルを自らつくりだすことなのです。

 また、「お客さまを賢く・素敵にする」ということは、「お客様第一主義」とも微妙に違います。お客様第一主義は、極論すれば「お客様がお金を払ってくださるから、大事にしなくてはいけない」という考えを糖衣にくるんだものです。しかし、お客様のお金だけがお客様の価値ではありません。お客様にはお金以外に、もっと尊敬すべき価値があります。 「お客様を賢く・素敵にする」というのは、お客様にとってお客様の人生が変えがたいもの、大切なもので、誰かに利用されるために生きているわけではない、というしごく当然な原理から出発します。そして「お客様の人生が、お客様にとって代え難い存在、思考の存在である」ことをすべての付加価値の基盤におきます。お客様は私達の欲望を満たすための道具ではありません。むしろ、私達こそがお客様の人生を掛け替え無いものにするための道具なのです。

 

 だからこそ、ビジネスの目的が明確になります。それは

あなたが提供する商品やサービスを通じて、「お客様の人生を豊かにする」、「お客様が今まで知らなかった楽しみと学びを提供し、その日々を充実したものにする」こと。お客様を「消費者」や「顧客ニーズ」として自分の商売の都合で切り分けず、お客様の人生の豊かさから自分たちのビジネスを再定義することが可能になるのです。

 

 あなたがそのようにお客様の人生を一番に考える時、何が起きるでしょう。

きっとお客様は「自分を素敵に・賢くしてくれる相手(これはあなたです)とは、いつまでも「大事なつきあいをしたい」、と思って頂けるはず。そして、そのつきあいをより豊かなモノにするために、高い値付けであっても、納得して買ってくださる。いや、それどころか応援する側にまわってくださる。何故なら、高い値付けの理由が、作り手側の勝手な理由ではなく、お客様側の「自分の成長への対価」に変わるからです。まさに付加価値はモノから「お客様の成長」と「お客様とのおつきあい(縁)」に変わる瞬間です。

 

 これからの時代、ビジネスは二つに分かれていきます。一つは「円(お金)によってモノを買うビジネス」。こちらはお金の価値を高めるために、より安く、より早く、より簡便に、を競うものです。そしてもう一つは「円で縁を買う」ビジネス。こちらで高められるのは既に述べてきたように「お客様の成長」ですし、その成長のためには「よい縁」が必要なのです。これからのブランド・ビジネスとは、良いモノをつくる「モノづくり」以上に、良い縁をつくる「縁づくり」の比重が大きくなってくるのです。

 

 もちろん、そのように人間的な価値を大事にし、お客様とのつきあいを大切にしたい気持ちは社員にも伝わるはず。

お客様第一主義の限界である「お客様を収入=自分たちの道具として見る」を超えて、お客様の人生を尊重することは、多くの社員のストレスを大きく減らし、そのエネルギーを深い気づきと前向きで自発的な発想力に転化させます。そして社員は、お客様とのつきあいを大切にするために、自らを磨いてくれるはずです。つまり「人づくり」です。

それは私たちとお客様だけではなく、原材料を供給してくださる方、あるいは流通の方もまきこんだ、モノづくりならぬ「仲間づくり」に広がっていくはずです。

 

 つまり、「お客様を賢くする」ことで、ブランドづくりを従来のモノづくりの次元から「人づくり」、「縁づくり」に進化させていくことが、これからのビジネス、特にブランドを扱うビジネスにとってもっとも重要なことなのです。

 この時、ブランドはそこに関わる人の、その関わりの旗印になるのです。

 

 抽象的な話だと思われるかも知れません。しかし、この本が目指しているのは、ビジネスを「如何に上手くやるか」ではなく、全く「異なる発想でやる」ことにあります。

・ブランド・ビジネスとは「お客様を素敵に・賢くするビジネス」である

・高付加価値とはモノの差別化や希少性ではなく、「お客様の成長」からもたらされる。

・従って、ブランドづくりはモノづくり以上に「縁づくり」が重要になる。

・その縁づくりが、自分の会社の「人づくり」にもなる。

・またその縁は、お客様と自社だけではなく、同じ意識をもつ「仲間づくり」につながる。

 

 この本は「お客様を賢くする」という視点から、ブランドづくりを「モノづくりから人づくり、縁づくり」へと変えていく、その取組を具体化していくための本なのです。

 どうですか、その先に「ビジネスと幸せ」が少しだけ近づいたように思いませんか。それをハッキリさせるため、もう少しだけ、今度は用語を整理しておきましょう。

 

posted by BLC at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | お客様を素敵にするビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/153247631
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。