2008年09月09日

果たして「解雇」は妥当か?おぼれた犬を棒で叩く社会

今朝は、朝からオフィス(というか自宅)でお仕事。
朝からワイドショーで、「露鵬と白露山の大麻吸引事件」がかまびしい。

まあ、他人のこと(サッカーではないから)だから、ともって聞き流しておりましたが、エッセイストの飯干さんが「解雇で当たり前」という発言をされていたので、これは見のがしてはいけないと、ちょっと書くことにしました。
(あと、相撲記者クラブ会友の杉山さんも「解雇は当たり前。これで9月場所から出てきたら、おかしいでしょ」と話していたのもおかしいので)

まずは「解雇」が妥当かという問題です。

これについては、「2008年5月に巨人のルイス・ゴンザレス選手がドーピング検査で陽性反応が出たため、巨人を解雇されたではないか」という方がおられました。
しかし、これは「巨人を解雇された」だけであって、日本プロ野球機構では「1年間の出場停止」なのです。
これは亀田兄弟にも言えることですが、「1年間の出場停止」は国内のルールで、彼は米国に戻って野球を続けることが出来ますし、1年間待てばプレーすることも出来ます。(ただし、どこかのチームと契約できればですが)
「解雇」は一つのチャンスが無くなっただけで、野球界から永久追放されたわけではありません。
野球でも、永久追放は「八百長」など、特に酷いケースに限られます。

それに対して、相撲協会は「部屋を解雇」になったのではなく、「協会を解雇になった」のであり、それはつまり相撲界から「永久追放」されたことです。 しかも、彼らは「外国人」ですから、解雇されたら在留資格を失います。つまり、3ヶ月程度で国外退去という可能性も出てきます。彼らにとって「解雇」と「出場停止」では、それこそ天と地とも違う処分です。本当にそのことをコメンテーターは分かっているのでしょうか?

ドーピングはスポーツのルールとして許されないことです。
しかし、そのペナルティーは相応なモノでなくてはなりません。

ペナルティーはルールとともにあるもので、恣意的に運用されてはいけません。

「(吸っていないと)嘘をついたのがいけない」という意見もありますが、そもそも「ペナルティが妥当なら」嘘をつくインセンティブもないのでは?「永久追放」の可能性があれば、嘘をついた方が損には成らないはずです。また、法廷闘争の話が出てくるのも、そもそも「永久追放」だからで、これが相応のペナルティーだったら、司法ではなくCAS(スポーツ裁定仲裁機構)に提訴されるはずです。(我那覇選手のケースですね)

相撲協会については「閉鎖的」という批判もあります。しかし、(例えば飯干発言にみられるように)「分かっていない人」(分かるとは、何でも許すということではなく、相応ということが分かることです)が過剰な発言をするとき、それを恐れる反応とも考えられます。(だから、閉鎖的でよいとは言えませんが)

今回についての私の意見は以下の通りです。

○ドーピングについては、「解雇」ではなく「出場停止」が望ましい。
○裁定については、理事会と独立した「裁定委員会」(をつくる)が行うことが望ましい。

相撲界のペナルティの雑さは、朝青龍の時にも見られました。
朝青龍のペナルティには問題があるという記事はこちらです
とにかく相撲については、相撲協会内部も、相撲協会外部も(横綱審議委員会の存在も含め)、「相応な議論」がかけています。それが日本的といえば日本的ですが、これを是正しなくてはなりません。

さて、一番最初に戻りますが、「外野の無責任な発言を垂れ流す」ことについては、ワイドショートはいえ許されないと思います。また、そういう人たちの発言をただせない司会者の勉強不足(今回は福沢アナ。みのもんた氏も同様)も問題です。
こんな番組をつくっている限り、(より多様な意見をチェックできる)インターネットに勝てるはずがありません。(あ、最後は論旨がずれている・・・)

 

後は余計なこととして・・・

私の見ていたワイドショーで、最後に「事故米」の不正転売のニュースを扱っていました。

そこで、最後に飯干さんが声を荒げながら、「なんで、そんなお米を輸入しなくちゃいけなんですか!冗談じゃない」と仰っていました。

事故米とは・・・
国が買い取った米の内、水に濡れたり、カビや残留農薬が検出されたため、食用に回さず「工業用」目的に転用された米
のことです。

正義の飯干さん
事故米を輸入したのではなく、輸入や買い取り(国内産もある)を「国内検査して外された米」です。事故米だけを輸入しているわけではありません。
もちろん、「工業用米」を、食用米で充当したら、それこそコストが間に合いません。

となりでニコニコ聞いている福沢アナも、発言を訂正しない番組も同様に問題です。

テレビ番組の危機とは、結局こういう所に出ているのです。



posted by BLC at 11:55| Comment(2) | TrackBack(0) | No Life, No Football | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回の大麻騒動について、一言。

そもそも、朝青龍パッシングの際によく、見聞きしたキーワードに
「大相撲はスポーツではなく、文化である。故に横綱には品格が必要」
というのがあります。

そういう立場の人は、アンチドーピング機関の検査結果なんか気にせずに、本人の弁か、警察当局の捜査結果を尊重すべきだったんじゃないでしょうか?

Posted by narito at 2008年09月09日 14:06
そうか!

スポーツ視点(「出場停止」とか「CAS」とか)という視点で語ることが間違いなのか。まあ、二宮さんもだんだんスポーツでない人になってきたからなあ。

でも(仰るように)本人の弁や捜査結果では「シロ」なんだからねえ。
もともと相撲協会に隙があるのだけけれど、やはりプレイヤーファーストで考えるべきだよね。(と、私の痛い痛いソシオ経験で勉強になったことです)

スポーツの中だけで語られていると人が集まらないのは分かっているのですが、しかし「スポーツを食い物にする人」をこのままにしておいていいのか。
昔、スポーツの世界には「黒い交際」という
スポーツを食い物にする人がいましたが、今はクリーンな顔で「視聴者のために」と言うような・・・(自粛)。それでは、結局やくざと(言っちゃったよ)何もかわんないじゃ(自粛)。
Posted by コイデ at 2008年09月09日 14:30
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