2008年08月11日

オリンピック 対ナイジェリア戦の追記

改めて再放送を見返した感想を。

 

1.日本選手のFW陣は「ワントラップ目の置き所」が悪いのです。

典型的なのは失点直後のチャンスにおける谷口のトラップ。
テレビ中継を見ていた人は、「谷口打て!」と叫んだと思いますが、実は完全に足下に入れている。本田にもその癖があります。本田のシュートは足下に入りすぎて、鋭いけれどキーパーから見やすいシュートになっています。(体から離すと、打つコースがわかりにくくなる)

逆にナイジェリアの2点目は、ワントラップ目を少し体から離すことで、次のプレーには体重を踏み込んでいます。
アナウンサーは(まあ、彼はサッカーを知らないので)、「トラップが流れましたが」と行っていましたが、流れたのではなく、「トラップを流してボディーシェイプを整えている」のです。
このプレーが上手いのが、田中達也だったり、大久保だったりします。

日本の選手は「中盤のトラップ」と「オフェンスのトラップ」の切り替えが出来ていないように思えます。オフェンスのワントラップ目の目標は、きちんと止めることではなく、できればワントラップ目を相手のDFの裏側に止めることなのです。(この天才がロマーリオ)
あと、何かの試合で、胸トラップをわざと大きく弾ませ、相手選手の裏側に入ったFWがいたなあ。
日本選手のトラップって、巧い下手の前に「一種類しかない」ことの方が問題だと思うなあ。

日本選手のトラップについての考察はこちらをご覧ください。

 

2.守備に関しては「ドリブルに対する対応が悪い」の一言に尽きます。

典型的なのは、80分に中盤の真ん中で本田拓也が相手の全くスピードのないドリブルに、入れ替わられたシーン。守備的な中盤としては、もう目も当てられないようなミス。
日本の守備は本当に腰高なんです。プレッシングを信条にする以上、密集からボールを持ち出させてはいけない。なのに日本選手の場合、相手の一人の選手を、2人から3人でボールを囲みにいっているのに、簡単にこの一人に持ち出されることがあります。
これは偶然ではなく、(たまたま高校時代のチームメートが得意なプレーだったので覚えていますが)こういう狙いのプレーがあるのです。まず腰高の選手の足にわざとボールをぶつける(腰高の選手は、ボールが当たると動きが止まる)。そして、その跳ね返りのボールを自分で引っかけて、密集を抜けるのです。これ、見た目は悪いのですが、ものすごく効果的なプレーです。確かペレもこういうフェイントを持っていたよなあ。

もちろん、日本のドリブル対応の一番悪い点は、ドリブルにずるずる下がっていくこと。ドリブルを止めるよりも、ウエイティングの方が高いプライオリティーになっております。
ナイジェリア戦の2失点はいずれもこのパターンです。

日本選手のドリブルに対する守備はこちらをご覧ください。

 

えーっと、つまり日本の弱点は、個人戦術(ボディシェイプ、トラップのボールの置き方、ドリブルに対する対処)にあるのですよ。
でもブログとか見ても、「得点力不足」とか、「なぜシュートを打たない」とか、「スピードに弱い」とか、曖昧なんですよ。
結局、そういう「何が悪いか」ではなく、「次に具体的に何を改善するか」が、子供達のサッカーのレベルをあげ、ひいては日本のサッカーレベルをあげることになると思います。私のブログが徹頭徹尾、プレイの中での戦術を書き続けているのは、まさに日本の選手に、「技術」と「戦術」の線引きが見えるような気がするからです。戦術の基本は「4-2-3-1」などではなく、「1対1の個人戦術」にあります
少年サッカーの決勝を見ても、残念ながら個人戦術で見るべきものがなかった。ここは実は日本サッカーの弱点かも知れません。(この辺り、布先生は徹底していたような気がするなあ)

 

僕は今まで、わりと日本の指導者を信頼しているところがあったのですが、最近、いつまでたっても「個人戦術」が改善されていないことに不思議を感じています。いま、指導の現場はどうなっているのでしょうか?
どなたかコーチの方に教えていただきたいです。

 

ちなみに、「トラップ」と「ドリブル」が、U-23の最大の弱点、というネタは、もう既に書いてましたね。



posted by BLC at 13:15| Comment(0) | TrackBack(0) | No Life, No Football | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

3人目からのゴールへ(五輪サッカー:ナイジェリア戦)

オリンピック代表は本当に残念でした。
日本のこの年代(から下)には、優秀な選手が多くいます。
今回、選ばれなかった選手でも梅崎(浦和)、柏木(広島)、金崎(大分)、柿谷(C大阪)などの好選手が居ます。もちろん、安田、内田、長友や香川も素晴らしい選手です。

で、今回のオリンピック代表です。

私は日本のサッカーを見せてくれたと思います。特に両サイドが素晴らしい押し上げを見せてくれました。

サッカーというのは残酷なスポーツで、せいぜい入って1点とか2点のスポーツ。だから結果だけでは分からない。その典型が「マイアミの奇跡」。あの奇跡は「ブラジルに勝った」ことではなく、あれだけ攻められて一点も取られなかったことでしょう。 そういう意味で「内容」を見ることにすると、この試合は日本のチームの可能性と限界をみせてくれた興味深い試合でした。

可能性は、サイドで数的優位をつくって崩す攻撃方法。
サイドでの動きに、ナイジェリアもほとんどついていけなかったと思います。特に、前に切り込もう(安田、内田)という動きがよい。奈良橋、相馬の頃は「切り込むサイドバック」が基本でしたが、最近のサイドバックは無理をしなさすぎました。その点、この二人は素晴らしい動きでした。
サイドで押し込んでから中央に展開する動きもスムーズ。正直、オランダ戦が楽しみでしかたありません。

逆に限界といえるのが、シュートの際のボディーシェイプ(体勢のもっていき方)。前にも書いたように、自分のタイミングで打てないというのは、大チャンスであっても、なかなか決めきれないのです。
例えば、アメリカ戦の森重がそうですし、ナイジェリアもゴール前でふかしてしまいました。

一方、ナイジェリアの2得点も、日本の1得点も、自分の体の前にボールを置けている。この差です。
また、女子サッカーがニュージーランド戦で失った得点も同じように、ペナルティエリア辺りが非常に良いボディーシェイプからシュートを打たれています。

そういう意味で、一番残念なチャンスは、後半の後半(87分)に内田が外したミドルシュートです。あれが、一番悪いプレーです。
あれこそ日本が取らなくてはいけない3人目からのゴール。
一人目と二人目が前へ相手を引っ張り、その空いたスペースを3人目のMFが使う、こういうプレイは絶対に外してはいけません。なぜならボールがマイナスですので、シュートの際のボディーシェイプが良いからです。

単純に「得点力不足」と書きますし、「シュートを打たない」とも言われていますが、私はシュートに入る前の「ボディーシェイプ」というか、シュートに入る前の正しい位置取りの問題だと思います。
ここに日本のFWの欠点が集約されています。
そういう意味では、FWもそうですが、むしろ得点のとれるポジションに入り込むMF(モリシや中田)が必要なのでは?
柏木、柿谷(私にはMF)、山瀬に期待します。

posted by BLC at 09:19| Comment(0) | TrackBack(0) | No Life, No Football | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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